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”国産小麦は体に良い”は本当?知っておきたい小麦粉の選び方

「安心の国産小麦」「国産小麦で安全・安心」など、
最近「国産小麦」という言葉をよく聞くようになりました。

ですが、なぜ国産なら安全だと言えるのか?
国産小麦と外国産小麦との違いは何なのか?
疑問に思った方もいるのではないでしょうか。

国産小麦専門のパン屋に勤務経験があり、
国産小麦のパン教室を8年やっている私が、
なぜ国産小麦を選ぶのか?様々な観点から掘り下げて解説します。

そもそも国産小麦とは?輸入小麦と何が違う?

結論から言うと、私は国産小麦には使用するメリットが大きいと考えています。
その理由の前に、「国産小麦」とは何を指すかを明確にしておきましょう。

「国産小麦」とは、”日本国内で育てられた小麦”の事を言います。「国内産小麦」も同じ意味です。

混同されやすい言葉として、小麦粉の商品パッケージに「国内製造」という表現が記載される事がありますが、
これは輸入した小麦を、国内で製粉・製品化した場合に用いられる言葉です。

日本国内で消費される小麦のうち、国内産の占める割合は約12~13%。
パン用小麦に至ってはわずか1%程度です。

つまり、普段我々が目にする小麦製品(小麦粉・麺類・パン・菓子など)の
約9割が海外産の輸入小麦で作られています。

小麦は主食として日本人の食生活を支える食材ですから、
安定的な供給には海外産のものに頼らざるを得ない現状をしっかりと認識することは大切だと思います。

「粉もん」が庶民の味方で安い物であるのは、輸入小麦が安価に手に入るおかげなんですね。

しかし、一方で、小麦という穀物を安価に製造・長距離輸送することで生じている問題もあります。

国産小麦の安全性

安価で品質も高い輸入小麦ですが、安全性を疑問視する声もあります。

その根拠のとされるのがプレハーベストとポストハーベストの影響です。

輸入小麦に使われるポストハーベストとは?

日本の小麦の輸入国はアメリカ合衆国・カナダ・オーストラリアの3国でほとんどを占めています。
いずれの地域からも、輸送には船で数カ月の日数がかかり、熱帯地域を通過する必要があります。

輸送期間中にカビが生えたりしないように、収穫した後の穀物に施す薬剤の事を「ポストハーベスト農薬」といいます。

カビが作り出すカビ毒は非常に毒性が高い物がある為、安全性の為に必要な処置であり、残留濃度の基準もあるので、それが原因で体に良くない、とは言えません。

ただ、国産の小麦には、ポストハーベストは使用されていないので、その点では安心して使えるというのが私の考えです。

輸入小麦に使われるプレハーベストとは?

輸入コストを差し引いても、海外産の小麦の方が安く手に入るのはなぜでしょうか?

それは広大な土地で、収量の多い品種を、機械化して大量に生産するからです。
人手を減らし、画一的な品質の農産物を収穫するためには、化学肥料や農薬の使用が欠かせません。

特に近年指摘されているのが「プレハーベスト」と呼ばれる、農薬の収穫前散布です。

稲と同じく、小麦も黄金色に枯れてから収穫し、乾燥させる必要があります。
この、枯れ具合・乾燥具合がそろわないと、機械で効率的に収穫・輸送することが出来ません。

その為、そろそろ収穫期となった小麦畑に「グリホサート」という除草剤を散布し、
一斉に枯れさせてしまうのがプレハーベストです。

成長期に散布する農薬とは違い、収穫の直前に使用する為残留しやすく、問題視されています。

日本でも除草剤としてグリホサートは使われることがありますが、
小麦における収穫前散布はされていないという事なので、
この点においても国産小麦の方に安全性の軍配が上がります。

タンパク質量が鍵!国産小麦の上手な選び方

国産小麦に興味を持ったら、是非日々の食生活に取り入れてみてください。

普段から手作りをされる方なら、意外と簡単に置き換えをすることが出来ます。

まずは身近なお店に国産小麦を扱っているかどうかをチェック。
最近では、ほとんどのスーパーで国産小麦を扱うようになりました。

どんな粉がどんな値段で売られているか、値段の裏側を想像しながら手に取ってみてください。

ここでは使用目的によって粉の選び方に気を付けるポイントをお伝えしたいと思います。

国産小麦の薄力粉の選び方

薄力粉とは、小麦粉の中でもタンパク質の含有量が少ないタイプです。

クッキーやマフィンなどのお菓子作りだけでなく、お好み焼きやてんぷらの衣まで、様々な用途に使えます。

国産小麦のデメリットとして、海外産の小麦よりもタンパク質の含有量が少ないというのがありますが、
薄力粉においてはその点は問題になりませんので「国産小麦」「薄力粉」という表示があれば間違いありません。

「薄力粉」という表示がなく、タンパク質の含有量が分からない場合は、
100gあたりの成分の表示を探してください。

ここで、100gあたりのタンパク質量が8g以下であれば、
タンパク質含有量が8%以下となりますので、十分薄力粉として使用することが出来ます。

また、「お菓子作りに」など記載があり、パッケージにケーキやクッキーの写真があれば、
薄力粉であるという事が予想できますね。

国産小麦の強力粉の選び方

強力粉とは、小麦粉の中でもタンパク質の含有量が多いタイプです。

強力粉を使うのは、家庭ではほとんどパンだけと言えると思います。
つまり、パン作りをしたい場合は強力粉を選ばなくてはなりません。

強力粉の選び方は薄力粉より少し難しくなります。

それは「強力粉」という名称で販売されている商品の中でも、
タンパク質の量や性質にばらつきがあるからです。
小さなスーパーだと、パン用の国産小麦の扱いがない場合もあります。

せっかく国産小麦を選んでもらったのに、上手に焼けなかったら残念なので、
100gあたりの成分表示で、たんぱく質が100gあたり12g以上あるかどうかを確かめて選んでください。

小麦粉の性質や、パンの様々な製法を学べば、タンパク質量が少なめの粉でもパンが作れるようになりますが、
一般的なレシピを参考にする場合は、タンパク質12%以上を目安にすると失敗しにくいと思います。

国産小麦の中力粉の選び方

中力粉とは、タンパク質の含有量が薄力粉と強力粉の間ぐらいのタイプです。

中華麺やうどんなどの麺類や餃子の皮などに使われます。

実は、日本で生産される小麦の多くは中力タイプになります。
100gあたりの成分表示でタンパク質量が9~11gであれば、中力タイプだと考えてよいでしょう。

餃子の皮やパイ、おやき、中華まんの皮などを手作りされるにはぴったりの粉になりますが、
お菓子作りやパン作りには向かないので気をつけましょう。

国産小麦を日常の食卓に

今回は国産小麦と輸入小麦のと違いとして、ポストハーベスト、そしてプレハーベストについてお話しました。

安全性という視点だけでなく、フードマイレージ(食料の輸送にかかる環境負荷)といった環境問題、
個性的な品種の特性を活かした用途など、国産小麦の魅力は他にもたくさんあります。

全体的な供給量という観点からみれば、日本の需要を賄える量を国内では生産できませんので、
輸入小麦に頼らざるを得ないのが現状です。

しかし、消費者が安全性を求め、値段や使い勝手だけで選ばずに、
国内で生産されるものに目を向ける事で需要の意思表示をすることが出来ます。

自分や家族の健康の為に、まずは手に入れやすい物から、国産小麦を使ってみてください。

Jenny’s Baking Schoolはあなたの国産小麦ライフを応援しています。

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